野田晋平(パライソレコード)インタビュー
− I want to hear a new world −

京都に、一風変わったウェブ・ストアがある。サイト内のカテゴリー分けからして妙だ。「ROCK/POPS」などに混じって、「世界の音楽」「日本の音楽」「奇妙な音楽」といったワードが並んでいる。どんな音楽か、予想がつかない。試聴してみると、どこかヘンテコな音楽が次々と流れてきて、未知の音楽との出会いについ時間が経ってしまう。第一回のインタビューに登場した長久保寛之のソロ・アルバムとも、ここで出会った。of Tropique のアルバムも扱ってくれている。
パライソレコードの野田晋平が東京に遊びに来るというので、さっそくインタビューを申し込んだ。このおかしなサイトを運営してるのは、どんな人物なんだろう。インドアな音楽オタクの風体を想像していたが、待ち合わせ場所に現れたのは、「現場」の匂いがする粋な男だった。新橋の外れの地下、音楽好きに愛されるバー、ARATETSU UNDERGROUND LOUNGE で、話を聞いた。

[取材&写真:近藤哲平]


ダンス甲子園とニルヴァーナ

野田:生まれは福岡で、育ちは京都です。
最初は長渕とかXとか、テレビで流行ってた普通のポップスの聴いてたんちゃうかな。

ー同世代ですよね。僕も爆風スランプとかTMネットワークとか聴いてました。

野田:ああ、そのへんですね!洋楽を聴きだしたのは、中学くらいかな。『(天才・たけしの)元気が出るテレビ』で、ダンス甲子園ってあったじゃないですか。あれのダンスに使われてる音楽が好きになったんです。はじめて買った洋楽のCDは、ボビー・ブラウンですからね。あとMCハマーとか、あの感じです。ダンス・ミュージック、ブラック・ミュージックからヒップホップにハマっていって、スヌープ・ドギー・ドッグとかDr.ドレとか、G-Funk系を聴いてました。

野田:ミュージック・クリップだけを延々1時間半流す、SONY MUSIC TVっていう番組があったんです。それをビデオに録って早送りして、黒人が出てたらそこだけ再生して見てました(笑)。その番組で、ベスト・クリップ特集みたいな日があって、ニルヴァーナの“Smells Like Teen Spirit”が流れたんですよ。映像が気になって見てみたらそれが衝撃で。ホンマに洋楽にのめり込んでいったのって、そこからですね。

ー僕はグランジ(※1990年代にシアトルを中心に興った音楽ムーブメント)ってぜんぜん通ってないんですよ。ニルヴァーナからだと、どう広がっていくんですか?

野田:やっぱりニルヴァーナ周辺の音楽ですね。ソニック・ユースが好きでした。ペイヴメントとかボアダムズとか、当時ローファイ/ジャンクと言われてたものにも影響受けましたね。正当じゃなくてもかっこいい音楽もあるんやな、って。ちょうどBECKも“Loser”で出てきた頃で、フォークやけどヒップホップみたいやし、やのにぜんぜん歌も歌詞もやる気ないってのがわけわかんなくて、すごい新鮮でした。

野田:あと好きだったのはビースティ・ボーイズですね。ルシャス・ジャクソン、ショーン・レノン、ベン・リーとかグランド・ロイヤル・レーベル(※ビースティ・ボーイズ主宰の音楽レーベル)に所属してるアーチストはホンマにぜんぶ、かっこよかったですね。

ー僕、マニー・マーク(※ビースティ・ボーイズのサポートで知られる鍵盤奏者)のソロがすごい好きなんですよ。初期のインストの頃の。

野田:ああ、『Push the Button』とかすごい好きですね〜!あの辺はかっこよかったですね。


ガレージにハマる

野田:そのあと、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンから、ガレージ(※1960年代のアメリカの若者によるアマチュア・バンドをルーツに持つ音楽ジャンル)にハマりました。

野田:レコードは高くてなかなか買えなかったんですけど、関西ではガレージが流行っててイベントがいっぱいあったんですよ。DJのキングジョー(※森本ヨシアキ。イラストレーターとして、ザ・ハイロウズやクレージーケンバンド、坂本慎太郎のアートワークも手がける。)が、『SOFT, HELL!』 ってフリーペーパーとかビデオなんかを作ってガレージシーンを盛り上げてて、そこでペブルス(※1960年代後半のアメリカのガレージ・バンドの音源を集めた編集アルバム)を知りました。ガレージのB級感が好きだったんです。日本のバンドだと、Jackie & The CedricsやThe 5.6.7.8’s(ゴロッパチ)とかですかね。

ーペブルスまで行くと、どんどん横にも広がっていきますよね。

野田:そうですね。ニルヴァーナの頃はリアル・タイムの音楽を聴いてたんですけど、ガレージにハマってからだんだん昔の音楽を聴くようになりました。大学にビートルズとかクイーンとかデビッド・ボウイなんかの超王道なロックが好きな友達がいて、そいつの家行ってそんなのばっかり聴いてました。そのときはDJもまだやってなかったし、ホンマ聴く専門ですね。
「名盤探検隊」っていう再発シリーズあったじゃないですか?

ーありましたね!あれはよかったですね!

野田:当時、再発のCDがホントによくって。買うCD買うCDぜんぶビックリですよ。ああいうのでシンガー・ソング・ライターやルーツ・ミュージックを聴くようになりましたね。レコードの再発もすごくて、けっこう買いました。

ーバンドはやらなかったんですか?

野田:うーん、断念してますね。というか、楽器買うお金があったらレコード買いたかったし(笑)。もっと後になりますけど、呑み屋のお客さんで集まって、ジョナサン・リッチマンの”Egyptian Reggae”をカバーしたんですよ。なかなか変でかっこよかったと思うんですけど、完成しかけたところで終わりました(笑)。僕はピアニカとリズムボックス担当でした。リズムボックスに「演歌」っていうリズムがあったので、それ使って。もしかしたら、ドサ回りしてた演歌歌手も、これでビール・ケースの上で歌ってたのかな、とか思って、泣けてきましたね(笑)。

タワレコに入る

野田:大学出てしばらく経ってから京都のタワーレコードに入って、13年いました。

ーいいですね!僕もタワレコでバイトするのに憧れました。そうなったら、やっぱ情報もどんどん入ってきますよね。

野田:そうですね。でも、外から楽しそうに見えることって、全体の5%くらいですけどね。たとえば店の音楽も、売れてる音楽だけをかけてますから。好きなものをかけられるわけじゃない。東京の大きなお店はわかんないですけど、京都とか中小規模のところはぜんぶ決まってます。1時間でだいたい1周するんですよ。レディ・ガガとかも最初はいいなと思ったんですけど、半年間ずっとかかりっぱなしだったんで、しんどかったですね。マイケル・ジャクソンが死んだときなんて、1年くらいずっとかかってましたからね。

ータワレコではどんなことをやってたんですか?

野田:バイヤーです。ジャンルごとの売り場に配属されるんですけど、間接的に関わったものも含めると、ほぼ全ジャンルやりました。いちばん長かったのはJ-POPで、ジャニーズあたりのオリコン系から自主制作みたいなインディーズまで何でも扱ってましたよ。

野田:最後の2〜3年はもう管理職だったんで、お金と人の管理しかしてなくって、ずっとバックヤードで仕事してました。気づいたら今日CD触ってないやん、っていう。金銭やシフト管理、電話応対とか、メチャメチャやることあるんですよ。あとクレーム対応ですね。CD聴けない、とか。それは大体お客さんの家のプレイヤーが悪いんですけどね。でも、聴けるってことを証明せなあかんので、プレイヤー持って行って、聴けますよね、って。

ーえ、家まで行くんですか?

野田:行きますよ、来いと言われたら。けっこう多いんですよ。DVDは特に多いですね。あとは買ったけど特典が入ってない、とかね。

タワレコを辞める

ーだんだんCDが売れなくなってきた時代ですよね。

野田:そうですね。あきらかに売れなくなってきてるのがわかりましたね。ヤバいなって思ったのは、会社の目標が「あきらめない」みたいになった時があって。

ーあきらめたくなっちゃうから(笑)。

野田:そうそう(笑)。
当時のタワレコは、潰れないための努力をしてたって感じやったし、ぜんぜん面白くなかったですね。辞める頃は、もうホンマCDが売れなくなってきて、アイドルイベントの即売会とかしょっちゅう外販(※ライブハウスなど、店舗以外での販売)に行ってました。握手券がもらえるからひとり何十枚も買うっていう。売上げとしては大きいですからね。朝9時に行って夜12時に帰るみたいな生活がずっと続いて、休日も行ったりしてましたし、しんどかったです。そんな状況やって、社員の早期退職を募ってて、それで辞めたんです。その時は、店長クラスの人とかまで、けっこう大量に社員が辞めたんですよ。

ー規模縮小みたいな感じだったんですか?

野田:そうですね。当時まだアナログが売れ出すなんていい話題もなかったですしね。

パライソレコード

野田:ほんで辞めてすぐ、Carole KingってBARをやってるバンドマンの友達から、ウチにレコード置かへん?って話があったんで、パライソレコードって名前で委託販売を始めたんです。いつかレコード屋やりたいなって思って、タワレコいるときから販売用に集めてたんですよ。
なんやかんやしてるうちに、京都の100000t(じゅうまんとん)アローントコっていうレコード屋が、うちの店にも委託で置いてええで、って言ってくれて。Carole Kingの方はロック好きのお客さんが多いんで王道系にしてたんですけど、100000tの方はいまのパライソっぽいラインナップにして、そしたらけっこう売れたんですよ。それが2014年ですね。
2年くらい前からウェブに移行して、委託はほぼやめました。けっこう常連さんも増えてきて、いまウェブ・ショップとしては3年目ですね。

ーウェブだと、お客さんとのやりとり、コミニュケーションてどうなんですか?店舗みたいに直接話せるわけじゃないですよね。

野田:うーん、あんまりないですね。だからたまにメールくれる人がいると、やっぱ嬉しいですよ。やりがいになりますね。お客さんに新しいレコード教えてもらうこともあります。あと、知らないものでも買ってみるっていうお客さんもけっこういますね。

ーお店のカラーが明確だし、パライソが推してるから、っていうお客さんもいるでしょうね。いい意味で、すごく趣味性の高いラインナップだと思います。

野田:趣味性しかないですね。それこそ、タワレコ時代に嫌だったことはやってないです。さっき言った、全体の5%しかない楽しいことをいまやってる感じですね。

ー情報収集はどうしてるんですか?

野田:タワレコにいた当時はとにかく情報にあふれてたし、サンプル盤なんかもとりあえず聴きまくりました。DJもしてたんで友達から教えてもらったり、本・雑誌もよく見てたけど、最近なんかはやっぱりネットで知ることが多いですね。YouTubeでたまたま聴いて知ることもあるし。レコードのジャケ買いもまだしますよ。見たことないやつを買ってみたりするんで、失敗もしますけどね(笑)。
昔から、レコードを探すのが好きなんですよ。聴くのが好きな人もいますけど、自分は買ったり探したりが好きで、そこでほぼ完結してるかもしれないですね。

野田:DJでも、いらんレコードたくさん買ってる人の選曲の方が面白い気がします。失敗してる人の方が、深みがある。いまはレコードも、知ってて買う人が多いじゃないですか。100%保険付きで買ってる人のDJや音楽って、やっぱりあんま面白くない。ウチで取り扱いしてるアーチストは、みんな音楽好きですよ。やってる音楽以外のキーワードもメチャメチャ出てくるし、ああけっきょく好きなんやなーって。

ー新しい人もけっこうチェックしてるんですか?

野田:しますね。ライブはそんな行けてないんですけど、ネットとかで見て気になったら、自分から連絡することが多いです。買取はやってないんで、仕入れについてはぜんぶ自分でやってますしね。

ー買取してないと、値段付けが大変じゃないですか?自分で買った値段にさらに上乗せしないといけないわけですから。

野田:そうですね。でも、ウェブ・ショップなんで、家賃もないし年中無休24時間営業みたいなもんだし、諸経費を考えると、普通の店が儲けから経費引いたのと変わらないんじゃないかなと思ったり。カタログも、定番化してるのも含めて、増え続けてますから。売り切れたのもぜんぶ残して聴けるようにしてますしね。レコード売るだけじゃなくって、いろんな音楽があるっていうのが伝わればいいなと思ってて。

ーそれは素晴らしいですよ!やっぱり聴かないとわかんないですからね。

海外の話

ー海外にもニーズがありそうですよね。

野田:海外からの問い合わせもたまにありますよ。つボイノリオがどうしてもほしい、ってメールが来たことがあります(笑)。

ーまたマニアックですね(笑)。

野田:海外は、ドルがめっちゃ安い頃に、eBay(※海外のオークション・サイト)でペルーとかから7インチ(※シングル盤レコード)をメチャメチャ買いましたね。あっちって、海外発送する時に身分証明を貼り付けないといけないらしいんですよ。ダンボールに免許証みたいなののコピーが貼ってあるんです。なかなか発送されなくて連絡したら、その手続きが大変でって言われました。けっきょく届かなかったこともありますけど(笑)。

野田:いまは、タイなんかでも外国人がいっぱい買いにくるようになって、レコードの値段が上がっちゃってるみたいですよね。レア・グルーヴ的なもんて、やっぱりそれなりに値段も高くなるし、そういうのはウチの店とちゃうかな、って思うんです。DJ向きの店とかでもないし、あんまり海外買い付けって感じじゃないのかな、って。

ー海外に買いに行ったことはあります?

野田:タイとメキシコには行きました。メキシコは、京都でDJしてるときにメキシコ人に喋りかけられて遊びに来いって言われたんで、何も考えず行ったんですよ。向こうでDJもやりました。そいつが、「日本で有名なDJがくるから」って嘘ついて(笑)。けっこう人集まって、面白かったですね。
レコードは、商店街のフリマみたいな店でいっぱい買いました。おじいちゃんが計算できへんから、隣の店の兄ちゃんに計算してもらって(笑)。桁が上行くと計算無理や、みたいな雰囲気でしたね。普段、そんないっぱい買う人なんていないんでしょうね。ブートのCDR屋もすごいいっぱいあって、CDを正規で買うような国じゃないんだなーって思いました。これ欲しいって言ったらその場で焼き始めましたからね(笑)。
あと面白かったのは、電車に物売りが乗ってくるんですよね。演説してるだけのおばあちゃんとか、背中にスピーカーしょってCDR売りにくるやつとかいて。

ーああ、来ますよね!僕が昔メキシコ行ったときも、二人組の少年がギター抱えて電車に乗ってきて、「Love Me Do」を歌うんですよ。メキシコのティーンもビートルズなんだ!って、驚きました。

独自のラインナップ

ーカテゴリー分けが独特で面白いですよね。「奇妙な音楽」とか「ニッチポップ」とか。個人的に、ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンドのコーナーがあるのが気になりました。

野田:好きなんですよ(笑)。ウチのお店のコンセプトが、あの音楽に詰まってると思ってて。

野田:米米クラブもサヴァンナ・バンドを意識してたんですよね。加藤和彦とか、細野晴臣もYMOをはじめる前にかなり聴いてたらしいし、裏方で作ってるような人が影響受けてるんじゃないですかね。

ー立花ハジメの『H』も推してますよね。僕もあれ大好きなんですよ。ちょっと前にやってたLow Powersもよかったし、すごくセンスある人ですよね。

野田:立花ハジメもいいですよね。あとプラスチックスの中西俊夫とかね。
サヴァンナ・バンドなんかはタワレコ時代によく通ってたジョアンっていう呑み屋で教えてもらいました。その店自体がサヴァンナ・バンドの世界みたいだったんですよ。南国風やけどフェイク感があって、すごいエキゾチックで。そこの大将にはいろいろレコードもいっぱいもらったし、知らん音楽もメチャメチャ教えてもらいましたね。

ーニューオリンズ系もけっこうマニアックですよね。タッツ・ワシントンや、あとA.J.ロリアとか。

野田:A.J.ロリアは、「ワイルドサイドを歩け」をカバーしてて、モンドっぽい流れで知りました。
( http://paraisorecords.com/?pid=133206591 )
ニューオリンズはやっぱり細野晴臣の影響はでかいですね。トロピカル三部作はメチャメチャ聴いたし、そこから広がったのものも多いです。あれでカリプソや東南アジアの音楽も聴くようになったし。


「まんま」やらない

ートロピカル三部作がいまのパライソのラインナップにつながるのは、すごく納得できます。サヴァンナ・バンドもそうですけど、フェイク感というか、生真面目になりすぎないのがいいんですよね。あの三部作はオブトロのアルバムを作るときにもけっこう意識しました。

野田:オブトロは、デジタルなのものまでミックスされてるのがいいですよね。ラテンぽい音楽をやると、そのまんまやる人が多いじゃないですか。どっぷりその文化に浸かっちゃうみたいな。

ーそうなんですよねー。もちろんかっこいいバンドもいるんですけど、みんな特定の音楽しか聴いてなくて、それ以外のものを受け入れないっていうのが嫌で。東京のシーンってほぼそんな感じなんですよ。

野田:全国的にそうじゃないですかね。ヴィンテージ感を大事にするのはいいんだけど、でもなんか、そこだけで終わっちゃうんですよね。やっぱ、ミックス・センスのある人が好きですね。細野さんやサヴァンナ・バンドや、マルコム・マクラーレンなんかもそうやと思うし。「まんま」やらない。

ーパライソのラインナップも、直球ものって少ないですよね。

野田:もちろん、嫌いなわけじゃなくって、昔はそういうのぜんぶ聴いてやるっていうぐらいでしたけどね。まあ、王道系なら他で買えばいいし、ウチではそういうんじゃないのを聴いてほしいっていうのはありますね。
『モンド・ミュージック』って本があったじゃないですか。載ってるレコードももちろん好きなんですけど、考え方が好きなんですよ。かっこよくなくても、かっこよく見せれるっていうか。「くくり」さえ作れば、埋もれたものにもスポットを当てられるっていう。ウチの店で他にないジャンルを作ってみたりしてるのも、あの本の影響はありますね。

アイドルはウンコしない

ーパライソの品揃えって、僕の考える「エキゾチック」の感じにすごく近いんですよ。マーチン・デニーとかの、いわゆる音楽ジャンルとしての「エキゾチカ」も好きですなんですけど、音楽面より実はもっと感覚的な部分がポイントのような気がするんです。

野田:アイドルはウンコしない、ってあったじゃないですか。ああいうの信じてるのって、すごいエキゾチックな気がするんですよ(笑)。間違ってるんだけど、自分の中では成立してしまっている。

ー間違ってる、っていうのはキーポイントかもしれないですね。

野田:昔の人でも、たとえばレス・ポール(※有名なギブソンのギターを生み出したギタリスト。多重録音などの実験を行い、メリー・フォードとのコンビで数々のヒットを飛ばした。)なんかも、こういう音を出したいっていうのが頭の中にあって、でもそれ出せへんから、自分で楽器に変な細工してなんとか近づけようとしたりして。そういうのがエキゾチックやと思いますね。

ーなるほど。レイモンド・スコット( ※ 1930年代より活躍するアメリカの作曲家、発明家。カトゥーン番組などの音楽を担当するかたわら、自作楽器を用いてさまざまな音楽的実験を行った。電子音楽のパイオニアと呼ばれる。)とかもそうですよね。自分で楽器まで作っちゃって。ビートルズだって、スタジオでいろんな音の実験をやってたわけだし。

野田:そうですね。写真で見た観光地に実際行ってみたらアレ?っていう感覚ってあるじゃないですか。そういう、現実とズレて自分の中の想像で出来上がってしまった世界が、エキゾチックなのかな、って。

ーなるほど。パライソのサイトも、カテゴリー分けからして野田さんの想像の産物なわけだし、だからこっちも想像力を刺激されて、新しい世界が開ける。ジョー・ミーク(※1960年代に活動した鬼才音楽プロデューサー。1967年に自殺。)風に言えば “I hear a new world” 的な(笑) 、そういう体験ができるウェブ・ショップって、なかなか貴重だと思います。

野田:ありがとうございます。ジョー・ミーク、もちろん好きですよ(笑)。

ーパライソレコード、これからも期待してます!

野田:はい。楽しんでもらえたらと思います。試聴だけでもいいんで、ぜひ!


野田晋平

思春期にテレビで観たニルヴァーナ“Smells Like Teen Spirit”の衝撃から音楽にのめり込む。 大学卒業後タワーレコードに13年勤務しバイヤーなどを経験。退社後の2014年「パライソレコード」の名前で BARやレコード屋などに委託販売を開始。2016年からは魅惑のオンラインショップ「パライソレコード」として ウェブでの販売に移行。世界中の魅惑サウンドを探し求め、中古レコードをメインに(ほぼ)毎日新入荷を更新中。

http://paraisorecords.com/

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