坂口修一郎(Double Famous)インタビュー
– 大事なのは、匂いを嗅ぐこと –

しみずけんた(左)  坂口修一郎(右)

東京発エスペラント音楽集団Double Famous。1993年結成。無国籍インスト・バンドとして、今年で結成25年。世界中のローカル・ミュージックへの愛にあふれたサウンドが、多くの音楽ファンを魅了し続けている。of Tropiqueと方向性も近く、インスト・バンドとしても大先輩だ。流行とは距離を置いた音楽性を保ちつつ、どうやって長年バンドを続けてこれたのか。
バンドのスポークスマン・坂口修一郎に、of Tropiqueの母体となったコロリダスの頃から親交のあるしみずけんたが、話を聞いた。

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鈴木庸介(Disk Union)インタビュー
– クラブ・シーンのど真ん中でラテンが花開く –

オブ・トロピークのキイワードのひとつは、「ラテン/トロピカル」だ。しかし、ラテン/トロピカル・ミュージックとは何かと聞かれたら、答えるのは難しい。あまりにも多くの国の音楽、あまりにも様々なリズムを内包していて、ひとことで表すのは不可能にすら思える。調べてみても、明快な説明にはお目にかかったことがない。
「ラテン鈴木」と呼ばれる人物がいるらしい。ラテン音楽を得意とするDJとしてクラブ・シーンで活動し、現在はDisk Unionに勤務しながら現在進行系のラテン音楽を精力的に紹介しているという。広い視野を持った、若く、とんがった、熱い男だと評判だ。ラテン/トロピカル・ミュージックを理解する手がかりが得られるかもしれないと、話を聞くためにDisk Union本社へ向かった。

[取材・写真 / 近藤哲平]

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長久保寛之(Exotico De Lago)インタビュー
– 本質は「無駄」の中にある –

エキゾチカと言えばこの人、長久保寛之。国内屈指のエキゾチカ・バンドのリーダーにして、個性派ギタリスト。of Tropique の最初のレコーディング・セッションでも、センスあふれるギターとベースを披露してくれた。
“ぼっちゃん”を知ったのは、光風(みつかぜ)&グリーン・マッシヴのギタリストとしてだった。レゲエ/ロックステディのミュージシャンだと思った。だから、多重録音によるソロ・アルバム “Rock Exotica Steady” を聴いたときは驚いた。ただのロックステディではない。音楽の「型」を突き抜けて、「エッセンス」が聴こえてくる。それを「音楽愛」と呼んでもいい。偶然このアルバムを耳にした曽我部恵一(サニーデイ・サービス)が自身のレーベルからのリリースを即断したというほどの、隠れた傑作アルバムだ。どんな人なんだろう。どんな音楽を聴いてきたんだろう。
若い頃はルーツ・ロック・バンド、カリフラワーズのメンバーでもあったという一筋縄ではいかない個性は、どこからきたのか。逗子のビーチハウスSurfersで、ハンバーガーをほおばりながら、音楽遍歴を語ってくれた。

[取材・写真 / 近藤哲平]

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