廣瀬拓音(KPM)×しみずけんた(コロリダス、of Tropique)
ー明るく楽しいのが正しいー

廣瀬拓音(左)  しみずけんた(右)

“下町レア・グルーヴ” キウイとパパイヤ・マンゴーズ(KPM)と、”南米系みんなのうた” コロリダス。ラテン音楽をベースとしながらも、良い意味で「軽さ」のあるスタンスは、国内のラテン/トロピカル系のバンドでは珍しいだろう。メイン・ストリームとは程遠い音楽性でありながら10年以上のキャリアを持つ点も、共通している。
ヨーロッパをはじめ、アジアやアフリカでも頻繁にライブを行い、独自の活動を続けているKPMリーダー廣瀬拓音と、コロリダスのリーダーでof Tropiqueのメンバーでもあるしみずけんたの、ワールド・ミュージック対談。音楽ファンに愛される名店、武蔵小山商店にて。

[取材・写真 / 近藤哲平]

 

KPMとコロリダス

ーラテン系って真面目にルーツを追求するバンドが多いじゃないですか。どれだけ本場のホンモノに近づくか、みたいな。そんな中で、KPMとコロリダスは異質だと思うんですよ。歌ものだし、すごくポップだし。やはり昔から交流があるんですか?

しみず:最初は、イベントで一緒になったんです。2010年ですね。ちょうど(チャラン・ポ・ランタンの)小春ちゃん経由でKPMを知ったばかりで、パワフルにワールド・ミュージックをやってるのに詩はポップで乙女、っていうのが新鮮でした。

廣瀬:その頃は、小春はメンバーじゃなくってサポート的に混じってもらってた。まだアイツ1920歳くらいだったと思うな。

しみず:あのイベントのときって、まだコロリダスをはじめて2ヶ月ぐらいだったんですよ。

廣瀬:そうなんだ!

しみず:大学で同じサークルだった英心から企画ライブに誘われて、キューバから帰ってきたぽんを誘って3人で出たのが最初です。それまで、サークルの発表会でボサノバの弾き語りくらいはやってたんですけど、バンドははじめてで。

廣瀬:群馬にいるときは?

しみず:ロックが好きで、ギター弾いたり、ちょっとドラム叩いたりしてました。
ラテン音楽いいな、って思ったのは、高校生のときです。フジ・ロックに行ってマヌ・チャオを見て、レゲエとかスカとか、それまで聴いてたアメリカやイギリス以外の音楽に触れて。それで、大学ではサンバ・サークルに入ったんです。そしたら、サークルに音楽好きの先輩がいて、マヌ・チャオ知ってたんですよ!みんな知らないと思ってたから衝撃でしたね。
タクトさんは、上京する前はどんな音楽が好きだったんですか?

廣瀬:レゲエだね。もともとヒップ・ホップが好きで。中学のころは岐阜の無人駅からわざわざ名古屋まで通ってレゲエやヒップ・ホップのCD買ってたよ。でも、田舎でレゲエ・バンドやろうって思っても、誰も仲間がいない。中学校時代もバンドやってたけど、みんなスピッツとかミスチルがいいって言うわけ。俺は嫌いだったんだけど(笑)、しょうがないからやってた。
高校入ると、メロコア(※メロディック・ハードコア)・ブームがあったじゃない?

しみず:ありましたね。ハイスタとか僕も聴いてました。

廣瀬:でも俺はジャマイカぽいのやりたくて、吹奏楽部の女の子とか誘って無理矢理スカコアやツートン・スカみたいのをやってた。それが大学行ったら、レゲエやってます、っていうサークル(早稲田の中南米研究会)が勧誘ビラ配っててさ、しかも女の子がみんな可愛い()。ライブ見に行ったら、すごい美人のドラマーがワン・ドロップ(レゲエのリズム・パターンの一種)踏んでてびっくりしたね。あー東京来てよかったなーって。ぜったいこのサークル入ろうって思った。

KPMは、サークル内で結成したんですか?

廣瀬:俺とドラムの永田がサークルの幹事長と副幹事長だったとき、それまで学校からサークルに対して出てたお金が廃止されることになったんだ。それで、部費を稼ぐためにあわてて営業バンドを組んだのがKPMのはじまり。OBの結婚式や商店街のイベントで演奏してたね。

ー最初は、キウイ、パパイヤ、マンゴーちゃんの3人ボーカルだったんですよね?

廣瀬:うん。でもパパイヤちゃんは2ヶ月ぐらいですぐ辞めちゃって、キウイちゃんとマンゴーちゃんの2人ボーカルになったんだ。当時はもっとポップスみたいだったね。ボサノバっぽいコードでラヴァーズ・ロックをやる、みたいな。結婚式でも受けがいいし、女子大生が歌ってるっていうのでちょっと人気が出たんだよね。そのころ盛り上がってたカフェ・ミュージックのブームに乗って、Lampやモダーン今夜がいたMOTEL BLEUっていうレーベルから、CDを出したんだ。それがけっこう売れて、フジ・ロックに出たりして盛り上がっちゃって。でも、カフェっぽい音楽は営業バンドだからやってただけで、俺は本当は興味なかったわけ。それで、2作目から自分の好きないろんな国のフォーク・ミュージックの要素を入れていったら、みごとに売れ行きが下がっちゃった。そしたらあるとき事務所の社長が、どっか行っちゃったんだよね。夜逃げみたいな感じでばっくれちゃった。で、しょうがないから自分でやることにしていまみたいな形態にしたのが、2009年。

田舎と都会

廣瀬:その年に、いまのバンドの方向性につながる『Tropical Japonesqueっていうアルバムを自主制作で出したんだ。

廣瀬:そしたら、細野晴臣の「トロピカル三部作」を引き合いに出されたんだけど、じつは聴いたことなかったんだよ。知ってはいたけど、都会的なものにコンプレックスがあったから、聴かずにいたんだよね。

しみず:タクトさんって、「田舎と都会」っていうフレーズを、飲んでても口癖のように出すじゃない?田舎のコンプレックスみたいなのが、音楽にも影響してるのかな、って思うんですよ。俺は群馬なんですけど、田舎と都会っていう比較ではあんまり考えたことがなくって。いまはネットで好きな音楽を探して聴けるじゃないですか。自分の好きなものを突き詰めることができる。そういう時代にあって、都会と田舎の差って何ですか?

廣瀬:たとえば俺の田舎みたいな、親戚の中に誰も大卒がいないような環境だと、いまでも家にパソコンがない人も多いんだよ。本棚もない。スマホは持ってるけど、なにかを検索するまでに至らない。ストリーミング・サービスもそんなに普及してないと思う。

しみず : そうなんですか!

廣瀬:いわゆるセンスがいい、文化的な音楽に耳がいく人って、田舎だと皆無なんだよね。俺は、岐阜の山の中にバブル期に突然できた、分譲住宅地みたいなところで育ったのね。無人駅で、親戚はみんな同じ工場で働いてるような。興味がある本やCDを手に入れるのにも、すごい苦労した記憶がある。
東京に来て気づいたのは、センスがいい音楽やってる人って、家柄も良かったり、圧倒的に高学歴の世界なんだよね。俺は進学校にも行かなかったし、知的分野で話が会う友達と文化を共有して、っていうような体験がいっさいなかったから。子供の頃や思春期に手に入れられた情報に、すごい差を感じたんだよね。Apple MusicSpotifyが中学時代にあったらなーって思うよ。

ー でも、仮に中学時代にApple Musicがあっても、まわりにどれだけ使って人がいるかってことですよね?

廣瀬:そうそう!共有できないんだよ。

ー 情報や体験の差、ですよね。東京だったら、近くのお店に行けば人に会えたり、ライブに行ってミュージシャンと話したりできますよね。でも田舎だと、そういう場やコミュニティがないから、個人で突き詰めていくことしかきっとできない。

廣瀬:そうだね。いいものを勧めてくれる大人も皆無だしね。

コロニアル

廣瀬:日本の歌謡曲を考えてみても、センスがいいことをやってるのは都会で米軍基地に近いところにいた人なんだよ。トロピカルな音楽って、洋楽的なセンスを突き詰めていくと、コロニアルな雰囲気になるじゃない?

しみず:コロニアル?

廣瀬:うん。欧米人が植民地の音楽をセンス良くやる、みたいな。
俺は、日本の音楽的教養の土台がアメリカだっていうことに反発心があって、もうちょっとちがうことがやりたいな、って思ってて。外国に呼ばれて音楽やってると、同じような反発心を持った人がアフリカや中南米の僻地にいるんだよ。ただちがうのは、彼らは完全に植民地だったわけ。日本は植民地みたいとはいえ実際にはちがうし、自分でも植民地を持ってたじゃない?たとえば台湾大学みたいな植民地時代の建物って、帝国時代の名残なわけですよ。日本人としてそこに行った時の甘苦さ。音楽をやるときに、その違和感をもっと突き詰めたいね。楽しいけどそれだけじゃない、欧米ではできないことをやりたい。

しみず:そういう違和感をKPMで表現してるんですか?

廣瀬:そうだね。だから、音楽をやってる中にも風刺的なものがほしい。ヨーロッパやアメリカ、先進国の人達って、日本のことを仲間だと思ってるんだよね。でも、我々は本当は葛藤しながらあなたたちに合わせて生活をしてるんです、っていうことは発信したい。洋服の着かた一つでも頑張ってきていまがあるわけで。音楽でも、日本語だとサウンドより言葉の意味が強くなってしまう難しさがある。そういう葛藤もわかってほしい。

キャラクター志向

ーやっぱり海外での演奏体験が大きいんでしょうか。日本で洋楽をやっていても、コロニアル、っていう発想はなかなか出てこない気がします。

廣瀬:そうだね。日本は特殊ですよ。たとえば音楽を楽しむ作法もちがう。外国のフェスに行くと、みんな踊って享楽的に楽しんでるんだよね。でも日本だと、お客さんはみんなじっと聴いてて、楽しんでるのかどうか判別しにくい。ただ、キャラクターには執着するんだよね。音楽というよりはキャラクターの消費に近い。

ー ボーカルが可愛かったら人気が出る、みたいなことですかね?

廣瀬:そうそう。だからトークが大事なんだよ。MCがこんなに重視される国もないと思う。海外だと、ステージで喋ると客が引いちゃうんだよね。日本は逆で、喋らないと引いちゃう。
ポルトガルのレゲエ・バンドの友達が日本に来て、一緒にライブ見に行ったら、日本の客は素晴らしい!って感心してるんだよ。ダンス・ミュージックやってるバンドなのに、喋っても客が帰らない、なんて思いやりのあるお客さんだ、って。

しみず:へー!

廣瀬:どこの国でも、バンドやる上でキャラクターは大事なんだけど、日本の場合はキャラクターへのシンパシーが8割くらいのような気がしちゃうんだよね()
そういう、いろんな国に行って演奏する中で感じる違和感を音楽の中に混ぜ込みたいっていう気持ちがあるんだよね。モヤモヤやイライラをそのまま出しちゃったほうがスッキリするんだよ。

違和感を表現する

KPMの音だけ聴いてると、メッセージが前面に出てくるような印象はないですよね。ダイレクトに政治的なメッセージを歌ってるわけじゃないし、サウンドもいわゆるレベル・ミュージックのような激しいものではない。

廣瀬 : 試みたことは何度かあるんですよ。昔のj-pop時代の押しチューンだった 『八月のさよなら』 は、レゲエ風のポップな曲だけど、アメリカへのラブレターと思って書いたんだよね。「ありがとう、さよなら」って。8月って、終戦記念日もあるしね。

ーバンドのサウンド面で具体的に意識することってありますか?

廣瀬:たとえば、日本人って低音が嫌いだなーって感じるんだけど、ウチらはその低音を思いっきり出すようにしてる。
あとは和楽器。2009年かな、当時ボーカルだったうちのかみさんが、神楽坂の料亭で三味線弾いて歌いはじめて、バンドでもそれ弾こうよって。三味線や箏って、バンドと合わせづらいのね。ひとつのキイしか演奏できなくて、曲の合間にチューニングを変えなきゃいけなかったりするから。でも、合わないもの、不便なものを入れたほうがいいって直感で思ってる。

しみず:和楽器もそうですけど、メンバーそれぞれのルーツをそのままどかんと出してますよね。パンデイロがいたり、バイオリンとシタールがいたり。ゴチャっと混ぜてドーンと出す、みたいなイメージがあります。けっきょく音楽って。パッと聴いたときがすべてじゃないですか。そこをちゃんと大事にしてるのがいい。考えてることとフィジカルな快感のバランスがしっかりしてる。

廣瀬:そういうバランスは大事にしたいね。

海外進出

ーそもそも、どうしてそんなに海外に行くようになったんですか?それも、モザンビークとか、日本のバンドがあまり行かないようなところに。

廣瀬:最初は、フォホー(ブラジル北東部の音楽)を台湾語でやった曲が話題になって、台湾のフェスに出たんだよね。その後、スキヤキ(スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド。1991年より富山県で毎年開催されているワールド・ミュージックのフェスティバル。)のプロデューサーのニコラさんが、オーストリアのフェスに、KPMとサカキマンゴーさんのコラボ・ユニットで売り込んでくれたのね。そこで名が知れてヨーロッパの他のフェスからも依頼がくるようになったんだよね。アフリカもスキヤキの紹介で、スワジランドやモザンビークの、かなりイケてるキラキラ系フェスに出たのね。パリピがいっぱい行くような()。外国のフェスの人たちって、みんな次のネタを有名無名問わず探してるところがあるから、見た人がまた別のフェスに誘ってくれるっていうことが続いたんだよね。

しみず:そういうイベントはスキヤキみたいなものが多いんですか?ワールド・ミュージックのイベントの日本枠みたいな?

廣瀬: いや、たまにはそういうこともあるけど、基本はもうバンドとしてだね。日本は景気も最悪だし、出稼ぎみたいな気分だよ()。フェスに出てギャラをもらっても、短期的にはそんなに儲かるわけでもないんだけど、現地のラジオのCM音楽の制作依頼なんかも結構あるんだよね。アメリカの映画プロダクションが曲を使わせてくれって言ってきたこともあるよ。曲の版権も自分で持ってるから、いろんな意味で出稼ぎ感あるよね。

ー 海外に行きたいっていう気持ちは以前からありました?

廣瀬:あったね。日本語で歌って外国の人に聴いてもらうのが、若い頃からの目標だったから。俺たちは、歌詞の意味がわかんなくても英語やポルトガル語の曲を聴くじゃない?その逆ができないと悔しいっていう気持ちがあった。いま外国のフェスに呼ばれたり、音源を買って聴いてもらえてるのは、目標がかなった感じがするね。微妙な規模だけど()

しみず: 言葉がわからずともサウンドで伝わってる確信が持てるのは、うれしいですよね。

廣瀬:それは喜びだね。

ワールド・ミュージックとメッセージ性

しみず:コロリダスは、ワールドミュージックの、言葉がわかんなくても楽しいっていう部分をやりたかったんです。音楽でマッサージする、みたいな。「南米のみんなのうた」っていうイメージで、ポップに落とし込むことを意識して。歌詞も、誰でも歌いやすいように語呂をよくして、メッセージはあまり入れずに、日常生活の歌っていう感じで作ってます。あと、言葉が少ないほうが、意味を広くとってもらえるかもっていう感覚もあるかな。

ー言葉が少ないと、解釈の自由がありますよね。ワールド・ミュージックには、政治的な言葉を使えないから日常の言葉に意味を託す、ダブル・ミーニングを持った歌詞も多い。それって、当時その場所に生きてた人にしか全部は伝わらないかもしれない。でも、ちがう時代のちがう場所の人が聴いたときに、自分たちの問題とリンクさせて、ぜんぜん別の意味を発見するっていうこともあると思うんです。抽象的な歌詞って、そうしてどんどん広がっていく可能性を持っている。

廣瀬:直感で発した言葉のほうが時代を反映することってあるよね。だからポップスや大衆歌謡は強い。

 しみず:コロリダスでスキヤキに出た時に、グナワ・ディフュージョンのアマジーグが、トークショーで「ワールドミュージックはメッセージだ」 て言ってたんですよね。政治的なメッセージを強く考えてるんだなって、すごい印象に残って。でも、コンゴの電気カリンバのコノノNo.1の人とかは、「鳥が止まってるよ~」とかそのぐらいの歌じゃないですか()

廣瀬:アマジーグはアルジェリア系の移民の2世だからね。フランスで生まれて育ってるし、政治的にダイレクトなんだよね。でも、楽しいって言ってるだけでも、それはもうメッセージなんだよ。音楽に限らず、文化様式はすべて政治経済軍事の影響を受けて成り立っていて、それらのパワー・バランスが意味を持っちゃう。だから、存在だけでもメッセージになるし、全部がメッセージだなって思う。日本人の俺たちが洋服やあるいは和服を着てレゲエやってるっていうだけで、メッセージだからね。KPMの俺以外のメンバーも、Go Araiはシタール弾いてTaikuh Jikangでガムランもやってて、ドラマーの永田は在日ファンクっていうバンドでファンクやってる。ギターの大森先輩がグレッチ弾き倒す。ガチの箏曲者の浩恵ちゃんがダブをやる。それだけでメッセージ性があるよね。

しみず:なるほど。オブ・トロピークも各メンバーのバック・グラウンドはちがうけど、そこまで考えてはいないかな。インストで歌詞もないし。

廣瀬:オブ・トロピーク、よく聴いてるよ。ちょうど東アジア圏でシティ・ポップ的なものがライズ・アップしてきたよね。来なかった近未来、みたいな感じで。センスがいい洋楽を学んで教養もあるミュージシャンがそっちに行くのは、必然の流れだなって。でも、韓国や台湾にも知り合いのミュージシャンは多いけど、彼らは、才能や実力の如何は問わず、先進国のミュージシャンがやるようなトロピカルでメタ視点のセンスのいい音楽はなかなかできない。それは日本とアジア圏のちがいかなーって。俺たちは、ただ気持ちよくトロピカルを消費することもできるんだなっていう。良くも悪くも、それは植民地主義の時代を経た上での、過去の貯金ですよね。

しみず:うんうん。

明るく楽しいのが正しい

廣瀬:まあ、気持ちよければ何でもいいんだけどね()。たとえば今度のイベントで、最後に一緒に演奏するじゃない? KPMには台湾語の曲もあるし、ちがう言語で歌うのもいいなーと思ってるんだよね。朝鮮語で君が代を歌ったこともあるけど、まあ君が代をやってもね()。タガログ語とかいいかもね。

しみず:面白そう!

ータガログ語で歌う意味をその場で考えるお客さんって、多くはないと思うんですよ。でも、意味はわからなくても語感は新鮮だし、それだけできっと面白がってくれる。そういう、よくわかんないけど楽しい、っていう体験って、記憶に残るじゃないですか。そうすれば、10年後にふとしたきっかけでライブのことを思い出して、そこから何かを考えはじめる人もいるかもしれない。そのためにも、まずはとにかく楽しんでもらえるライブにしたいですよね。

廣瀬:そうだね。そういえば、一緒のバスでスキヤキに行ったとき、コロリダスのアレグリア(スペイン・ポルトガル語で「喜び」)な感じがうらやましかったんだよね。俺は享楽的であろうと意識してがんばってるんだけど、彼らは自然ていうか、躁状態ギリギリ寸前の3人組が隣にいるわけ()

ーだいぶ屈折してますね!()

廣瀬:やっぱ明るく楽しいのが正しいんだよ!()

しみず:楽しくいきましょう!

 

廣瀬拓音(ひろせたくと)

昭和56年岐阜県出身、東京都在住。熱帯ダンス歌謡楽団『キウイとパパイヤ、マンゴーズ』(ベース担当)、ブラジル北東部の伝統芸能マラカトゥ・ナサォンをベースとした打楽器集団BAQUEBAを主宰。広く国内外での演奏活動の他、TVCM、映画に向けた音楽制作から各種媒体での文筆活動まで。料理、野球(中日ドラゴンズ)盆踊り(郡上おどり)そして熱帯をこよなく愛す山男。

しみずけんた

音楽家。飲み屋。コロリダスのリーダーとしてボーカル、ギター、カバキーニョ、作詞&作曲を担当。チリンとドロン&しみずけんた、Love Samba DEESof Tropique、東京キャラバンに参加する他、ソロでの弾き語りでも活動中。CMや舞台などの音楽制作、楽曲提供なども行なっている。2018年熊本に路地裏音楽酒場きびきびを開店。

You may also like